今さら聞けない「ビットコイン」の基本と概念についてわかりやすく解説

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ビットコインが最初に注目を集めたのは2014年に発生したビットコイン取引所Mt.Gox(マウントゴックス)における500億弱ものビットコイン盗難事件でしょう。いまだ解決に至らないこの事件は、「ビットコイン」という仮想通貨の存在を世間に知らしめたとともに、ビットコインに対するネガティブなイメージをも植え付ける出来事となりました。

以降、ビットコインに対する日本人が抱くイメージは、どちらかというとネガティブなものが多く、スタートアップ企業やFintech関連に勤務しているエンジニア以外はあまり関りを持ちたくないと思っている人が多いといわれています。

しかし、いつまでもネガティブなイメージを持っていては時代に乗り遅れてしまうだけです。そこで今回はビットコインについて正しく理解してもらえるように、ビットコインの基本と概念について、わかりやすく解説します。

世界中で流通しているビットコイン

まず最初に、ビットコインの市場規模についてのお話です。現在、ビットコインは世界中で流通しており、CoinMarketCapのデータによると200億ドル近くのマーケットがあるといわれています。

インドネシアではホテルの予約や旅行の手配にもビットコインによる支払いが可能です。ドイツやオーストラリアなどでも政府による法的規制は設けられず自由に流通しています。

また政情不安が続く中南米各国では自国通貨への低い信用を背景に、ビットコインが第二の通過として広く流通しているようです。

一方、日本においては一部の店舗などでビットコイン決済が可能となるなど、徐々にではありますが導入店舗が増えているという状況にあります。

そもそも国や現金は信用できるのか?

このようにビットコインが世界中で流通されるようになった背景には、既存の通貨に対する疑念や不信感があります。

普段我々が使っているお札や硬貨は、物理的に見るとただの「紙切れ」であり「金属の塊」です。なぜ紙切れや金属で物が買えたり食事ができたりするのか、ですが、その紙切れや金属に「信用」があるからであり、その信用は通貨を発行している「国の信用」に他なりません。

日本円であれば、日本国の信用があるからこそ、1万円札が「1万円の価値を持つもの」と交換できるのです。仮に日本国の信用がなくなると文字通り1万円札はただの紙切れになります。

日本にいるとあまり実感できませんが、信用が低い国は世界中に存在します。貨幣価値が短期間に下がり極度のインフレに陥ったニュースなどをみなさんも目にしたことはあるでしょう。

このように、国の信用によって価値が変動する既存の通貨と異なり、国への信用に依存しない通貨として開発されたのがビットコインなのです。

ただし、ビットコインという”貨幣”は存在しない

ビットコインという名称から、何かしらコインのような丸い金属の塊をイメージする方も多いでしょう。しかし、ビットコインというのは電子マネーのようなものであり(厳密には電子マネーとは異なりますが)、物理的な通貨は存在しません。

すべてが電子データ上で取引が行われるビットコインは、日本円などの現金を使って購入することができ、自分の財布(アプリなどのデジタルウォレット)に貯められます。

また、P2Pにより個人間での取引も可能です。銀行などを介さずに少額の手数料で交換することができ、店舗での決済以外にもさまざまな使い方ができます。

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ブロックチェーンという堅牢なシステムに守られたビットコイン

ビットコインは国の信頼に依存しない通貨ということですが、では一体何がビットコインに信用を与えているのでしょうか?

実はビットコインに信用を付与しているのはブロックチェーン技術と呼ばれる分散型台帳システムです。銀行などで利用されている中央管理型台帳システムは、システムそのものを物理的にすべて破壊してしまえばデータの復元は不可能となり、その銀行に預けていたお金は消失してしまいます。

しかしブロックチェーンは世界中に分散された台帳によりデータが共有化され管理されているため、物理的にすべての台帳を破壊することが不可能です。また台帳はすべてオープンであり、互いにデータ監視を行っているため、ハッキングによる改ざんなどはすべて無効になってしまいます。

こういったシステムによりビットコインの信用は担保されており、多くの人々がビットコインを商取引や個人間取引に用いているということです。ではなぜ、前述したMt.Gox(マウントゴックス)のようなビットコイン盗難事件が起きて起きてしまったのでしょうか?

その答えは簡単で、ブロックチェーンやビットコインの仕組みに問題があったわけではなく、Mt.Gox自体のセキュリティ体制に問題があり、その脆弱性をつかれてしまったからです。

したがって、信用性の高いビットコイン取引所を使えば、心配する必要はありません。

2020年東京オリンピックに向けて日本でも新たな動きが!

現時点において、我々に最も身近なビットコインの活用法は「決済」であることは間違いないでしょう。

つまり、物を買う、あるいはサービスを受ける際の支払いにビットコインを用いて「決済」することになります。この点だけを見ればSuicaやnanacoなどの電子マネーと大きく変わりませんが、やはり日本においてはビットコインの決済はまだまだメジャーではありません。

しかし、2020年に行われる東京オリンピックに向けて、急ピッチでビットコインによる決済インフラが整備されていくといわれています。

というのも、東京オリンピックでは多くの訪日観光客が押し寄せることが想定されているからです。少額決済にビットコインを用いることが「当たり前」になっている外国人にとってみれば、ビットコイン決済ができない環境はストレス以外の何物でもないでしょう。

つまり、訪日観光客に日本のホスピタリティを堪能してもらうためにはビットコイン決済店舗の拡大は不可欠な要素となっています。

訪日観光客相手のビジネスに力を入れている量販店などでは既にビットコインでの決済が可能です。そして、今後ますますビットコイン決済可能店舗は増加していくと予測されています。

まとめ

投機対象としても注目され、価値が乱高下するためネガティブイメージを完全に払しょくできないまま流通量が増大していくビットコイン。信頼性という意味ではまだ発展途上であることは否めません。

一方で、世界中で取引されており、多くの人々が決済に用いているのも一方で事実であり、日本においても例外ではないでしょう。

特にビットコインに対応した決済システムの早急な導入は今後の課題です。ビットコインの仕組みや利用方法を正しく理解し、その価値や役割を正しく守っていくような技術・運用を心がけていきたいものですね。

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