マーケティングを理解する上で欠かせない"ベネフィット"の考え方
マーケティングを成功させるなら「ベネフィット(利益)」を理解しておかなければなりません。ベネフィットはマーケティングの基本的な考え方で、ここを勘違いしていると根本が間違ったマーケティングになってしまいます。
マーケティングにおけるベネフィットとは何か?なぜベネフィットを理解することが大切なのか?本記事ではマーケティングのベネフィットについて詳しく解説します。
お客さんは商品そのものが欲しいわけではない
多くの場合、お客さんはその商品が欲しいから買うわけではありません。その商品によって得られる「ベネフィット(利益)」を求めて購入するのです。
つまり、お客さんは"モノ"としての商品が欲しいわけでなく、"ベネフィット"という精神的な満足感を得るために商品を購入します。
このことを正しく理解しているかどうかでマーケティングの質が変わってきます。
マーケティングにおけるベネフィットの考え方
マーケティングにおける「ベネフィット(利益)」は、その商品を購入することで得られるメリットや充足感を意味します。
たとえば、夏にペットボトルの炭酸飲料を購入することで得られるベネフィットは、喉を潤すことや爽快感が得られることです。おまけ付きのペットボトルは別として、ペットボトルを購入するのは喉の潤いや爽快感というベネフィットがあるからで、それがなければ購入しないでしょう。
ブランドの場合も同じで、そのブランドの商品を持つことで得られる充足感やステータス感というベネフィットが欲しいからです。自己顕示欲を満たすこともその人にとってのベネフィットで、言わばその人にとっての欲求を満たすことが商品を購入するベネフィットとなります。
その商品を自分のもにしたいという欲求であったとしても、その商品がもたらしてくれるベネフィットを目的に購入しているのです。「手段と目的が入れ替わる」という言葉がありますが、商品はベネフィットを得るという目的を満たす手段にすぎません。
ドリルを買う人が欲しいのは"穴"である
マーケティングにおける「ベネフィット(利益)」を的確に表したこのような格言があります。
「ドリルを買う人が欲しいのは"穴"である」
ドリルというたとえを用いたマーケティングの格言で、お客さんはドリル自体を求めてドリルを買うのではなく、"穴"を開けるためにドリルを買う、ということを表しています。
つまり、"穴"を開ける道具としてのドリルが欲しいわけであって、ドリルをコレクションしている人でもなければドリル自体に目的をもって買う人はそういないでしょう。
この格言の場合、マーケティングにおけるベネフィットは"ドリル"ではなく"穴"です。お客さんの欲求するベネフィットは"穴を開けるためのドリル"で、ドリルが欲しくて買うわけではありません。
したがって、穴が開けられるならドリルでなくても構わないわけです。楽に穴が開けられる道具としてドリルを選んだに過ぎず、他の道具でも"穴を開ける"というベネフィットを満たすことはできます。
常にお客様視点を忘れないこと
お客さんにとってのベネフィットを考える上で忘れてはならないのは、「常にお客様視点を忘れないこと」です。販売側の都合のいい解釈でこんな商品が売れるだろうと考えてはいけません。
お客さんがどんなベネフィットを求めているのか、商品を購入することでどんなベネフィットを得たいと考えているのか、お客さん側の視点から考えましょう。
「お客様視点で考える」といってもそう単純なものではなく、「お客様視点になったつもり」では本当のベネフィットは理解できません。市場調査やアンケート、またはソーシャルリスニングによってお客さんにとってのベネフィットは何かを分析する必要があります。
ベネフィットをもたらす手段はひとつではないので、新しい商品を開発する時は固定概念に囚われず、幅広い視野で考えてみましょう。
おわりに
ベネフィットは効果的なマーケティングを行う上で欠かせない概念ですので正しく理解しておきましょう。ベネフィットが理解できればマーケティングの理解も深まります。
商品が思うように売れない時は、お客さんにとってのベネフィットを考えて直してみてください。